業務用エアコンの騒音問題

夜間営業や住宅地の中での営業など業務用エアコンから発生する音が気になることもあり、場合によっては、ご近所トラブルに発展することもありますので注意が必要です。
業務用エアコンは家庭用に比べてパワーも大きいため音も大きくなることも多く、騒音規制法においても工場や事業場へ対して明確に注意を促しています。

業務用エアコン各メーカーの静音性についての機能

各メーカーとも、静音性を確保するために色々な機能を搭載しています。

・ダイキン 「Vカットプロペラファン」を採用して徹底した低騒音設計を追求し、夜間自動低騒音運転開始時刻や終了時刻を設定することができます。
3段階の低騒音レベルと時刻を組み合わせてパターンで自在に設定することができるため、静音性を優先したい夜間などは「静音モード」などを利用することができます。
能力優先設定を選ぶことができ、通常は自動低騒音で運転し、外気温が高くエアコンに負荷がかかる際は自動的に最低能力を熱帯夜でも快適さをキープすることができます。
様々な設定はすべてリモコンから設定することができます。

・三菱
室外機だけではなく室内ユニットの騒音にも配慮されていることから、学校や塾に最適です。
新機能「静音自動モード」で風量を自動で調整（リモコン制御）、風速自動運転は室内ユニットの騒音に配慮され静かな環境が必要な学校や塾などに適しています。
「サイレント（低騒音）モード」は3段階の静音レベル（標準・中・静）から選択可能です。
サイレント制御により、外気温が低い時などエアコンへの負荷が低い際には圧縮機の周波数などを制御して運転音はさらに静かになります。

・パナソニック
独自の省エネ化技術を集結し、エコで静かを実現しました。
室外機のファンの形状を最適化して静音性を確保、流体機械の設計手法を用いて新翼断面形状を開発しファンモーター入力を低減しています。
多機能ワイヤードリモコンから入切が可能、室外機の夜間静音運転は開始や終了時刻の設定もリモコン操作ですることができます。
さらに騒音に配慮したい場合は現地で設定を変更可能です。

・日立
運転音低減モードは3段階、さらに早朝・深夜、曜日などを組み合わせることで最大5パターンの時間帯設定が可能になるため、スケジュールを管理することができます。
ナイトシフトモードでは、外気温度が30℃以下になると室外機（圧縮機、室外送風機）を制御して、運転音を低減します。
運転音低減モードでは、外気温度にかかわらず圧縮機回転数を制御して運転音を低減します。

・東芝
室内機、室外機ともに低騒音化を実現しました。
大開口吹き出し口となり、室内機の大風量化に伴って騒音が増すのを吹き出し口の面積をアップすることで抑制しています。
10rpsコンプレッサーのエコノミードライブ制御となり、室外機の圧縮機において吐き出しポート位置やブレードの厚さの最適化して圧縮のロスと摩擦抵抗を最小化、エコドライブと低騒音化を実現しました。
省エネneoリモコンで、室外静音運転を有効にしたり、外気温30度以下で自動的に静音運転に切り替えるモードに設定することが可能です。

エアコンの運転音のレベル表示が変更

エアコンの運転音のレベル表示が変更され、より正確な基準になりました。
2013年4月のJIS改正により、運転音の測定方法が音圧レベル SPL（Sound Pressure Level）から音響レベル SWL（Sound Power Level）に変更されました。
エアコンの騒音レベルがより正確に表示されるようになりました。
SPLは音を聞く側の騒音値であるため測定する位置や方向により変化してしまっていましたが、SWLは音を発生する側（機器本体）の運転音の大きさにより一義的に決まる騒音値です。
そのため、SPLよりSWLのほうが数値が大きくなります。
昔のカタログと比較すると、一見「騒音が大きくなっている」と思ってしまうかもしれませんが、そういうわけではありません。

節電・健康管理などを考慮して就寝時はタイマーにしている方も多いと思いますが、熱帯夜では逆に健康を害することもあり、寝苦しく睡眠不足で体調不良になることもあります。
お勧めは28度(目安)でつけっぱなしです。電気代が気になるかもしれませんが、タイマーが切れて室温が上がりまたエアコンをつけて室温を下げることを繰り返すより、電気代がかからない場合もあります。